心不全の管理について学びましょう
心不全とは、何らかの原因によって心臓の収縮・拡張と言うポンプ機能が低下して、全身の臓器に必要な血液を十分に送ることができなくなった状態です。
心不全を起こす原因はさまざまあります。
<心不全を起こす病気>
心筋梗塞 心肥大(特に高血圧性)心筋症 弁膜症 不整脈 高血圧や糖尿病などの基礎疾患の管理不足
また、上記の疾患などで心臓の機能が低下している人が、薬の飲み忘れ、水分の摂りすぎ、過労などの要因で悪化します
。
①おしっこの量や回数が減る。
②全身がだるくなる。
③体重が急激に増加する(2日で3㎏以上)。
④呼吸困難や息切れ(最初は坂道や階段の昇り降りで自覚します)。
⑤むくみ(はじめは足からむくみ、徐々に体や顔がむくみます)。
◎症状を自覚したり前より強くなったときは、我慢せずに早めに医師の診察を受けましょう 。
①心不全の原因となる病気の治療(カテーテル治療・薬物治療・手術など)
②心不全の治療
・薬による治療…心不全の症状を改善します
・医療機器を使用する治療…両心室ペーシング 補助心臓など
・手術 …バチスタ手術 心臓移植など
③日常生活の改善・管理
①薬の管理
・医師の指示通りに服用し、自分の判断で中止しないようにしましょう。
・お薬が無くなる前に医師の診察を受けて薬が無くならないようにしましょう。
②休息について
・体が疲れた時は30分程度、自分が楽だと思う態勢で休息をとりましょう。
③運動について
・体力の維持、寝たきり防止のために、症状に合わせた運動をしましょう。
・少しきついと思うくらいの運動を、1日30分以上、週3日以上行えると良いでしょう。
・症状があって運動をすることができないときは、早めに医師の診察を受けてください
。
体が水分をため込む(心不全の悪化)と体重が増えます。毎日体重を測ることで「心不全の悪化」を未然に知ることができます。体重測定は家庭で出来る一番簡単な検査です。
<体重測定にあたっての注意点>
適正体重 = 身長(m)×身長(m)×22
例)身長が160cmの人は…
1.60×1.60×22=56.3kg 56.3㎏が適正体重になります。
血圧目標値 = 130/85mmHg
◎血圧が高いと心臓の負担になります。できれば毎日測定しいつもの値を知っておきましょう。
<血圧測定にあたっての注意点>
○測定時間は朝起きて30分安静後、昼ごはん前、寝る前の1日3回が良いですが、難しい場合は、毎日同じ時間に同じ条件で測定しましょう。
○測定した値はノートなどに記載して、受診時に持参しましょう。
○血圧計は腕で測るタイプをなるべく選びましょう。
便秘になりトイレでいきむと血圧が上がり、心臓の負担になります。
風邪をひくことで心不全が悪化することがあります。
<受診するにあたっての注意点>
○薬が無くなる前に、できるだけ決まった医師に受診してください。
○定期受診日にどうしても来ず、お薬が無くなってしまう場合は、必ず電話でご相談ください。
○症状を自覚したり、体重の急激な増加がある場合は、次の受診を待たずに病院を受診してください。
★心不全を悪化させないためには、患者さんご自身の管理が重要になります。
不安な事や分からない事があれば遠慮なく看護師に聞いてください。
私たち看護師は、患者さんが安心して生活できるようにいつでもサポートします!!!