当院は心臓病、カテーテル検査・治療、人工透析の専門病院です。

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医師が教える! 病気と治療

心臓リハビリテーションとは 2017年1月号

よりよい状態でより健康でより前向きに、これが「心臓リハビリテーション」なのです。 記事提供 : 循環器科 紺野久美子医師

心臓リハビリテーション

骨折をした後にリハビリテーションをするように、心臓病の治療中や心臓の手術をした後にもリハビリテーションが必要です。

折れてしまった腕や脚のリハビリを行ってまた日常生活に戻っていくように、心臓病でも日常生活を快適に過ごせるようリハビリを行います。

それだけではなく、心臓リハビリテーションにはこころを前向きにするはたらきや、再発予防の役割もあるのです。
医師、看護師、理学療法士、薬剤師、栄養士などさまざまな職種がチームとなって、患者さんひとりひとりに合ったメニュー(治療)を提供します。

よりよい状態でより健康でより前向きに、これが「心臓リハビリテーション」なのです。


どんなことをするの?
まず自分の身体の状態を知ることからはじまります。病気に対する正しい知識を身につけることによって病気の管理に何が大切なのかがわかり、自信をもつことができ、再発や病気の悪化の予防につながってきます。
心臓リハビリテーションのプログラムは、このように知識を身につけること、運動療法、食事療法、禁煙指導、カウンセリングなどから成り立ちます。


運動療法
有酸素運動やレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)があります。
個人個人で運動処方が異なりますので、正しい評価のもとに運動プログラムを組みます。

食事療法
管理栄養士のもとで、減塩や適切な摂取エネルギーを理解し、毎日の食事管理を一緒に行っていきます。
心臓病の治療、管理には欠かせないメニューです。

禁煙指導
心臓病の治療では禁煙が絶対不可欠です。
なかなか禁煙できない場合は専門外来もありますので、あきらめないで一緒に取り組んでいきます。

カウンセリング
心臓病ではうつ状態になることがあります。
ひとりで抱え込まず心臓リハビリのスタッフと一緒に不安なことやわからないことを解決して少しずつ前向きな気持ちになれるようにしていきます。

どんな患者さんが心臓リハビリテーションを受けられるの?
心不全の患者さんや心筋梗塞や狭心症の患者さん、心臓手術後の患者さん、閉塞性動脈硬化症の患者さんなどが対象となります。ご不明な方は担当医までご相談ください。

心臓リハビリテーションの効果
身体機能の回復により動作が楽になります。動脈硬化の原因となる生活習慣を改善し、再発予防につながります。心臓病による不整脈や突然死を軽減し、死亡率を下げます。